親愛なるライオンズの皆さん

 

皆さんは「好機」ということを、ある移り気な婦人になぞらえた言い伝えを、お聞きになったことがあると存じます。

その婦人は、各戸の扉を唯一度だけしか叩かず、もし叩いた扉がすぐ開かれないと、どんどん行ってしまって、帰っては来ないのです。

 

だが、そういったことは、よくあることです。愛らしくて手に入れたくてならないご婦人は、決して待ってはくれないでしょう。戸外へ出向いて行って、ひっつかまえなくてはなりません、私こそ、皆さんにとって、その「好機」なのです。私は皆さん方の扉を叩いて、取り上げて下さればよいと願っているのです。

 

先程の言い伝えは、幾人かの美しい「好機」たちが、各自、同じ扉に現われた時、皆さんがどうすべきかを語っているのではありません。

皆さんは一番気に入った一人を選ばねばならないでしょう。どうかこの私を取り上げて下さることを願っております。この会場では、私は一番若いですが、私のこの提案は、奉仕としてはこの上なく好機に満ち満ちたものです。